新年明けましておめでとうございます。旧年中は明野中央病院をご利用いただきましてありがとうございました。心より御礼申し上げます。
昨年の国内外の出来事を振り返ってみますと、キーワードは、「信頼」という二文字ではなかったかと思います。2020年のオリンピックは、各国の圧倒的支持を得て東京に決まりました。富士山の世界遺産登録も含め、日本という国が世界各国の信頼を得たからだと思います。海外に目を向けると、元CIA職員のスノ―デン氏がテロ対策としてアメリカが極秘に大量の個人情報を収集していることを暴露しました。ドイツのメルケル首相の電話を盗聴していたことも明らかになりました。大国アメリカの信頼がゆるいだ事件でした。一方、国内の政治では、自民党の安倍内閣が国民の信頼を得てねじれ国会を解消し、アベノミクスで円安、株価の上昇をもたらしました。しかし、他の国から信頼を得るためには、秘密の保持も重要なようで、尖閣問題や防空識別圏など隣国を信頼できなくなった日本は、日本版NSCや秘密情報保護法案などを急いで整備せざるをえない状態となりました。オリンピック誘致で大活躍した東京都知事も医療機関からの大金の流れが不透明とのことで、都民の信頼が一気に低下し辞任に追いやられました。次々と一流ホテルのレストランのメニューの偽装問題が発覚し、一流ホテルの看板に傷がついたのも昨年の出来事でした。
医療の世界でも降圧薬の論文の偽装問題で、製薬会社や大学の臨床研究への信頼が低下し、有床診療所の火災で高齢者の入院が多い医療機関の火災対策が決して万全ではないことが明らかになりました。医療制度の面でも、社会保障の増大から医療費の抑制政策がとられることが多く、病院や施設から退院して在宅で治療を受けるという流れが顕著になっており、医療への信頼が崩れかねない由々しき事態となっております。診療報酬の改定の議論の折、“医師の給料が高すぎる”ので診療報酬は下げるべきだとの低俗な議論に終始したのは残念でした。診療報酬は決して医師の報酬を決める指標でも何でもなく、診療報酬のマイナス改定を行うと患者さんへのサービスの低下(リハビリや入院日数の制限、医療機関へのアクセスの制限等)につながり、一番被害を受けるのは患者さんだということをマスコミはなぜ報道しないのでしょうか。来年こそは、いろんな意味で信頼ができる社会になってほしいと思います。
当院は昨年11月、早川一光医師をお招きし健康セミナーを開催したところ、地域の多くの皆様に参加していただきました。一昨年に続き、明野クララ元気ツアーを実施し、リウマチ患者さんの北海道旅行にスタッフが同行しお手伝いさせていただきました。また、地元の自治会、子供会の皆様に病院東側駐車場裏の壁に見事なウォールアートを描いていただきました。さらに、ホームページをリニューアルし、ブログで院内の最新トピックスを紹介できるように工夫しました。今年もますます地域の皆様との“絆”を大切にした病院を目指して行きたいと思います。皆様にとって今年が素晴らしい有意義な一年になることを祈念して新年のご挨拶とさせていただきます。