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相談会では、まず木下院長より糖尿病について、患者様自身に知っていただきたい基本的な内容の講話が以下のスライドに沿って行なわれた。 |
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内容のなかで、2型糖尿病※1)疾患の原因について、遺伝的要素のほか生活習慣によるところが大きいことを説明。食生活や生活ストレス、運動不足は従来から2型糖尿病の原因であると云われてきたが、今回新たに「喫煙」が加わり、紹介された。さらに、血糖値は食後血糖値が重要で、HbA1c※2)が正常であっても、食後血糖のみが高い糖尿病が隠れている可能性があるので、血糖検査は食後に受けて欲しいことが伝えられた。また、糖尿病に恐ろしいのは合併症であること、さらに血糖をコントロールできれば、合併症の危険性を低くすることができるため、患者様自身の頑張りが報われる病気であること知る事ができる講話であった。 |
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中村管理栄養士からは、糖尿病にかかっても食事をきちんと行なうだけで治療できる場合が多いことから、食事療法が一番大切であることがまずはじめに説明された。食事療法の基本目標には、腹八分目・偏食をしない・高脂肪食を避けることがあげられた。糖尿病だからといって食べて悪いものもなければ、これさえ食べていればよいという食品もない。量に制限があるだけなので、「無理なく続けられる方法を自分なりに見つけましょう。なによりも食事は楽しく」との説明に、参加者は上手な食事療法を楽しめるようになりたいと真剣な表情で聴講した。 |
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間食は80キロカロリー(1単位)まで。間食にお手ごろな低カロリーの市販食品を熱心に観察 |
野菜の摂取量は重要です!! |
食事療法に利用しやすいよう食品交換表利用の仕方について説明 |
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相談会の締めくくりに、運動療法によく用いられるウォーキンングの楽しみ方の説明があった。ウォーキングはいつでもどこでもテレビの前でも簡単に用いる事の出来る、お手軽で効果的な運動であるが、一方で運動様式の単調さから、長時間続けるためにはあきがきてしまう欠点をもつ。今回は、ウォーキング時に音楽を用いたり、様々に腕を動かして変化をつけ、時間の感じ方の違いを体験した。「運動療法は、食事療法に次いで大切な治療活動、食事療法同様楽しみながら実施するしていただきたい」と嶋田健康運動指導士からコメントされた。 |
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◎当院の糖尿病相談会は、 医師をはじめ、看護師、臨床検査技師、管理栄養士、薬剤師、健康運動指導士(糖尿病療養指導士を含む)がチームを組み、取り組んでいます。 |
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※1) 2型糖尿病とは? 糖尿病はインシュリンの分泌状態によって1型と2型分けられます。1型糖尿病はインシュリンを作る細胞が破壊されインシュリンがほとんど作られなくなることで血糖値が上昇するもので、小児や若年者に多くみられます。一方2型糖尿病はインシュリンの分泌量が少なくなったり、インシュリンの働きが悪くなったりすることで、血糖値が上昇するもので、大きな原因に生活習慣があげられています。日本人の糖尿病患者の95%が2型糖尿病と言われています。 |
※2) HbA1cとは? 糖尿病での血糖コントロールの状態を判断する指標となる検査です。ヘモグロビンは赤血球内のタンパク質の一種で、酸素と結合し全身の細胞に酸素を送る働きをしています。血糖値が高いと、血液中のブドウ糖がヘモグロビンに結合し、グリコヘモグロビン(HbA1C)というものにかわります。グリコヘモグロビンは一度できるとその赤血球が死ぬまで消滅しません。そして赤血球は約4カ月の寿命ですから、HbA1C検査はその平均年齢ともいえる、過去1~2カ月間の血糖コントロール状態を反映したものとなります。 |
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