理事長あいさつ
ご挨拶
理事長 中村 英次郎
明野中央病院は、1974年に明野の開拓・団地の新造に伴い人口が急増する中で、整形外科医の中村 裕によって開設されました。中村 裕は医師として早朝から深夜まで診療・手術を行い、地域医療に邁進しましたが、一方で、先駆的な福祉工場である「社会福祉法人 太陽の家」を開設し、大分国際車いすマラソン大会の開催を提唱するなど、身体障がい者福祉にも尽力し、その功績は現在でも高い評価を受けております。
中村 裕は常々、「医療・福祉の最終目標は、人間がいかに生きがいを得るかということである」と語っていました。つまり、病気や怪我をされた方が、最新医療の技術で身体状況を改善させるだけでなく、元の生活、家庭・職場復帰をなし得るまで応援し、見届けるということです。たとえば、脊髄損傷の若者を手術し、車椅子に乗れるようにするだけでなく、退院後に笑顔で生活できるようにスポーツ活動を教え、仕事を紹介し税金を納付させ、一人の社会人として胸を張って生きていけるようになるまで見届けていたのです。この全人的で優しさに満ちた考えは、本院の病院理念である「医療・介護を通じ、患者さんの生活の質の向上に努める」に受け継がれています。
我が国では、所謂団塊の世代の方々の高齢化問題に直面し、医療・介護体系の改変が進み、病院は急性期、回復期更に慢性期と機能別に細分化された結果、複数回の転院や主治医の交替、療養の場所が自宅からどんどんと離れていくということが珍しいことではなくなってしまいました。せっかく施した最新医療、その後の手厚い介護にもかかわらず、本人やご家族の満足感が低いこともしばしば見受けられます。今こそ我々医療関係者は、結果として患者さんの生活の質の向上に貢献し得るかどうか、急性期の段階から常に念頭に置きながら行動し、退院後の生活まで、できる限り見届けていくことが肝要と考えます。
明野中央病院の職員一同は、創設者である中村 裕の考えを現在に活かしながら、責任のある医療・介護を実行していく所存でございます。今後とも、何卒よろしくお願い申し上げます。
病院理念・基本方針
病院理念
医療・介護を通じ、患者さんの生活の質の向上に努める
基本方針
家庭的な優しい医療・介護の実施に努めます
地域の皆様から安心・信頼される病院づくりに努めます
患者さんひとりひとりの権利を尊重するように努めます
たえず医療・介護の質の向上に努めます
地域の健康増進・病気の予防に努めます
患者さんの権利
私共は、患者さんの権利に関するリスボン宣言を遵守いたします
- 平等で最善の医療を受ける権利
- 安全に医療を受ける権利
- 治療を自由に選択し自己で決定する権利
- 治療内容を知る権利及び知らないでいる権利
- プライバシーが守られる権利
- 他の医師や第3者の意見も聞き納得して治療を受ける権利(セカンドオピニオン)
患者さんへのお願い
- 病気に対する正確な情報を医療者にお伝え下さい
- よりよい医療環境を維持するために病院の規則をお守り下さい
- 病気の改善や治癒の為に、また患者さんと医師・医療従事者との良好なパートナーシップの構築の為、患者さん自身の治療への積極的な参加をお願い致します